name: Hironaru Morita
birthday: 1987.3.19
birthplace: Tsukigata-cho, Hokkaido, Japan
SKYPE: sdl-morita

スケジュール

2010年度

2009年度

研究発表等

2010年度

  1. 日本感性工学会第3回生命ソフトウェア部会研究会
    1. 会期: 2010年11月27日
    2. 会場: はこだて未来大学
    3. 発表題目: 「ネットワーク構造の違いによる情報伝播に注目した協調進化の分析」
    4. 著者: 森田拓愛, 須藤秀紹
    5. 概要: 本研究の目的は,繰り返し囚人のジレンマゲームおける戦略が伝播するネットワーク構造を変化させることで,集団全体の協調進化の様相と戦略の空間分布にどのような変化が現れるかについて論じることである.
    6. 質疑
      1. [Q] 対戦ネットワークと情報交換ネットワークを分離しなかった場合,どのような結果が得られているのか
        [A] ネットワークのスケールフリー性は条件によっては,社会集団の協調進化に寄与することがあるという結果が先攻研究で明らかにされている
      2. [Q] ネットワーク構造が動的に変化するような場合については協調進化はどうなるのか
        [A] 協調進化が進むにつれてネットワークはスケールフリーネットワークになっていくということが観察されている
      3. [Q] 集団全体の利得をエージェントにフィードバックするような仕組み(Generation gap)をモデルに組み込むことで,スケールフリー性を有するネットワークでも協調進化が可能では
        [A] 本研究では,トップダウン的な社会への影響を与えず,エージェント同士の相互作用のみで協調行動の伝播を表現することを目的としているため,グローバルな社会進化演算は用いなかったが,今回のモデルにそのような仕組みを入れた場合は,スケールフリーネットワークでも協調的な社会に進化する可能性がある
  2. International Conference on Humanized System 2010
    1. 会期: 2010年9月17-20日(発表: 17日)
    2. 会場: 京都市同志社大学
    3. 発表題目: “Relationship between Capability of Communication Media and Distribution of Knowledge”(コミュニケーションメディアの特性と知識の分布との関係)
    4. 著者: 森田拓愛,須藤秀紹,澤井政宏
    5. 概要: ゲーム理論を用いてコミュニケーションメディアの特性と人々の知識の伝播や分布との関係(コミュニケーションメディアの特性が知識の伝播に与える影響)を明らかにすることを目指す.マルチエージェントシミュレーション上でエージェント同士で囚人のジレンマゲームを行わせ,エージェントが持つゲーム戦略の交換の過程と分布の様子を分析した.コミュニケーションメディアの特性としてコミュニケーション可能な距離を表す伝達可能距離に注目し,戦略効果の交換に用いるメディアの規模を伝達可能距離を 10 パターンに分けることで再現した.実験結果から伝達可能距離が大きくなるほど,戦略の画一化が早く進むようになり,戦略の多様性が失われることがわかった.
    6. 質疑
      1. [Q] 戦略の交換を行うコミュニケーションメディアとしてレギュラーネットワークを用いているが,他のネットワーク構造(例えばスケールフリーやスモールワールド,ツリー構造など)で試してみると戦略の伝播や分布に違いが現れるのではないか.
        [A] 今回はレギュラーネットワークのみを用いた実験しか行っておらず,他のネットワーク構造で試していないが,実社会に存在するネットワーク構造での分析を行う必要性は当初から考えており,今後実験を行っていく予定である.
      2. [Q] 実社会において,個々人が持つ権威や権力などの社会的ステータスの違いは周囲に対する影響を大きく左右する.このような状況を実験に反映させてはどうか.具体的には,戦略を交換する際にエージェントが持つ社会的ステータスパラメータを影響をさせたり,戦略に重み付けをするなど.
        [A] 戦略自体に重み付けをするという発想はなかったが,影響力(権威)パラメータのようなものを導入するというアイディアはあった.今後の追実験では導入を検討したい.
        (後日考え直した解答)影響力パラメータを導入しなくとも,ネットワーク構造を変えることで戦略交換相手の数にばらつきを持たせることは可能であり,交換相手が多いということを影響力が大きいと捉えることができる.
      3. [Q] このシミュレーション実験で用いたモデルは実社会においてどのようなシチュエーションを想定しているのか.具体的な例を教えてほしい.
        [A] 株取引上での株価変動情報を取得する際にコミュニケーションツールの違いで取引に対する戦略が変わってくる場合等である.
        (後日考え直した解答)囚人のジレンマの具体的シチュエーションとしては企業間の価格競争や国家間での核開発政策問題などがよくあげられるが,一般的な生活を送る上でもこのようなジレンマを感じる場面は多い.今後はモデルを改良し,メディアビオトープと実験結果との対応関係を強調できるようにしていきたい.

2008年度

  1. 卒業研究最終発表会
    1. 会期: 2009年2月16日
    2. 会場: 室蘭工業大学 情報工学科棟 R205 プレゼンテーションルーム
    3. 発表題目: 「地域コミュニティ内における情報共有が地域住民の行動に及ぼす影響の分析」
    4. 著者: 森田拓愛,須藤秀紹
    5. 概要: 近年,コンピュータやインターネットの普及によって,他者とのコミュニケーション,とくに遠距離のコミュニケーションは便利になったといえる.しかし一方で,隣近所といった地域内のコミュニケーションが希薄化しているという現実がある.その結果による住民の地域社会への無関心化は深刻な問題である.このような問題に対して,猫メディアという新しいコミュニケーションシステムが提案されている.猫メディアとは地域の困った問題として取り上げられることが多い野良猫を,新たなコミュニケーションメディアとして用いる試みである.猫メディアでは,携帯電話からアクセス可能なウェブシステムを通じて情報の入力や閲覧をするといったしくみによって,「何をどれくらい食べたか」「トイレをしたか」「怪我をしていないか」などの情報が共有される.野良猫に関する問題(以後,猫問題)のなかでも,特に影響の大きいこととして,猫のフンや住民から与えられたエサの食べ残しの被害が挙げられる.猫のフンと食べ残しには,住民がどのように猫にエサを与えているかが大きく影響している.そこで,本研究では猫メディアによってコミュニティ内で猫にエサを与えた情報を共有することが住民の行動へ与える影響に注目する.エサやりの情報をコミュニティ内で共有する場合としない場合で住民の行動にどのような違いがあるかを明らかにすることを目指す. マルチエージェントシミュレータを用いたシミュレーション実験によって人の行動を調べ結果を分析する.
      詳細→猫メディア研究のページ
    6. 質疑
      1. [Q]住民の行動(エサを与える,掃除をする,不快感を感じる)を確率で与えることの妥当性は?(目の前にフンがあれば掃除をするのでは?)
        [A]猫のフンやエサの食べ残しを発見できるか(気づくか)どうかということ,猫に出会えるかどうかなどの不確定要素を加味し,住民の行動を確率で与えている.
      2. [Q]不快感の定義は?
        [A]不快感は住民が自宅周辺に猫のフンや食べ残しを見つけ,不快感を感じた際に1上昇する.実験中,不快感は累積する.
      3. [Q]case1〜case3はシミュレーション上,現実世界においてどのような違いを表しているのか?
        [A]コミュニティ全体としての猫や猫問題に対する関心の強さを表している.case1では,住民の関心が低く,行動する確率が低い.逆に,case3では,住民の関心が強く,行動する確率が高い.case2はcase1とcase3の中間である.
      4. [Q]シミュレーションでは,猫メディアを全員が利用して情報を共有していることになっているが,実際に地域住民全員が猫メディアを利用するのか?よって,猫メディアが利用されない場合を考慮してシミュレーションするべきでは?
        [A]住民の行動を確率で与えることによって,住民が猫メディアを利用しているかどうかに対応している.
      5. [Q]住民エージェントの内的状態を変動値にした方が妥当では?
        [A]猫の情報を住民間で共有することが住民の心的状態(猫や猫問題に対する関心)に変化を与え,その結果として行動に変化が現れると考えられる.よって,住民の心的状態の変化をシミュレーションに追加する必要があり,今後の課題である.
  2. 感性工学会第1回生命ソフトウェア部会研究会
    1. 会期: 2008年12月4-5日(発表: 4日)
    2. 会場: 室蘭工業大学ベンチャービジネスラボラトリ
    3. 発表題目: 「コトのつながりによって想い出を共有するコミュニケーションメディアの設計」
    4. 著者: 森田拓愛,須藤秀紹,小北麻記子,宇野英樹
    5. 概要: 本研究では,情報発信者の内面的感覚を,携帯電話を用いて伝達することで,共感を伴うコミュニケーションを実現するシステムを提案する.このことによって,ユーザに分り合えたことによる満足感をもたらすことを目指す.
    6. 質疑
      1. [Q]想い出を扱う上で,人間の記憶構造とコンピュータとの関係も考慮に入れるべきではないか.
        [A]コンピュータの出現と普及によって人間の記憶構造は変化しているという見方がある.想い出共有メディアは記憶にどのような影響を与えるか今後検証していく予定である.
      2. [Q]想い出という主観的な対象を扱うメディアの設計に際して,客観的な指標はなにか.
        [A]想い出共有メディアが運用段階となった際,問題となるのは,効果の検証である.想い出共有メディアによって,ユーザは満足感を得ることができたかどうかは,現在のところアンケート調査を行うことでしか検証できないと考えている.しかし,今後は,主観的な情報を客観的に捉える手法を考案したい.

太字は講演者


メンバー


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