認知的均衡理論

素朴心理学では状況とその状況にいる人間を表現する言葉を分析し,人間と状況の関係を表1に示す8つのrelation typesに分類する.

素朴心理学における人間と状況の関係

Relation types
(1) Experiencing or being affected「経験や影響を受ける」
(2) Causing「原因となるとか起こす」
(3) Can (being able to)「可能性」
(4) Trying「試みる」
(5) Wanting欲する」
6) Belonging「所属」
(7) Ought and may「規範的」
(8) Sentiment relations「感情的」

これらの関係は存在するか非存在か,また存在する場合は 肯定的か否定的かの二値を持ち,それぞれ(1)experiencing or being affected+,(1)experiencing or being affected−,…,(8) sentiment relations+, (8) sentiment relations−と表される.例えば,「好き」とか「喜ばしい」というプラスの感情の概念はsentiment relations+で,「嫌い」とか「腹立たしい」 というマイナスの感情の概念はsentiment relations−と表されるということである.これらの関係で構成される状況についての認知的均衡を考える. 例えば,Aの認知構造を表すと以下のようになる.

AはBのことを好きである(A⇔B:(8)sentiment relation +)
BはXという絵を描いた(B⇔X:(2)causing +)
AはXを下手な絵だと思っている(A⇔X:(8)sentiment relation −)

このとき,この認識のサイクル構造が,均衡状態か不均衡状態かをサークル上の符号の積が+か−かで決めることができる.この場合, (+)×(+)×(−)=(−)で不均衡となる.もし,Bも自分が描いた絵を気に入っていなければ(正確にはAがそう思っていれば)BとXの間も−の関係となり,(+)×(−)×(−)=(+)で均衡となる.

均衡状態の場合,その認識はストレス無く受け入れることができるが,不均衡状態はストレスを生じ,均衡状態へ移行するよう圧力が加わる.

この認知的均衡の考え方により,社会情勢の均衡や,個人と社会のかかわりについて論じることができるとされる.


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Last-modified: 2008-02-20 (水) 14:58:57 (3918d)