動的な情報提供と人の行動選択

研究背景

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人が行動を選ぶためには,情報が必要です. たとえばお昼にに学生食堂とレストランのどちらに行くかを選ぶときには両店の情報(値段,味,量など)が必要になります. ところが選択肢が時間とともに変化するような場合(これを動的で あるといいます)には,情報を工夫して与えなければいけません. この研究では動的な情報提供と人の行動選択の関係を分析します. 適切な情報提供について考えるために, 動的に情報を提供することの優位性や情報の新しさがどのように影響するかを検証します.

多属性効用理論

人の意思決定についての理論のひとつに,多属性効用理論があります. 多属性効用理論では,属性と効用という2つの概念を用います.

属性

属性とは各選択肢が有する特徴や性質のことです. たとえば選択肢が学生食堂なら,値段・量・味などの属性が考えられます.

効用

効用とは,選択肢の主観的価値のことです. 主観的なものなので,人によって効用は異なります. 多属性効用理論では,次のような手順で意思決定されます.

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  1. 選択肢は属性ごとに効用を持つ
  2. 主体は各属性に対して,その属性をどれだけ重視するかという重みを持つ
  3. 各属性の効用に対応する重みを掛け合わせ,それを合計したものをその選択肢全体の効用とする
  4. 選択肢間で効用を比較し,最も効用の大きいものを選択する

鉄道路線選択

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行動選択の例として,鉄道路線を選択することを想定します. 右図のように,同じ区間に2つの鉄道路線があったときに, 利用者がどちらを選択すべきかという問題です. 実験では選択しようとする人に路線の混雑情報を与えて, 選択行動の変化を調べました.

情報の与え方

情報の与え方として,情報の遅れと移動平均を考えます.

情報の遅れ

情報の遅れとは,何分前の列車の混雑情報を提供するかという値です.

移動平均

移動平均とは複数の発車した列車の混雑度から平均を計算して,その値を提供する手法です.

研究会での発表

生命ソフトウェア部会研究会2009(北海道大学ファカルティハウス「エンレイソウ」)

  • 「動的な情報提供が人の行動選択に及ぼす影響の分析-混雑情報を加味した鉄道路線選択を例として-」重信雄樹, 須藤秀紹
    • [Q] 鉄道利用者エージェントが持っているパラメータの初期値は,エージェントごとに確率的に決定しているのか.またあるエージェントが情報を取得して鉄道を利用するのは1度限りであるのか.
    • [A] その通りである.今回のシミュレーション実験は,エージェント生成→情報取得→路線選択→鉄道利用→エージェント抹消という流れである.
  • [Q] 静的に情報提供するよりも動的に情報提供したほうが,利用者の満足度が高くなるのは当然なのではないか.
  • [A] 情報提供が静的であるか動的であるかのみに着目すると,確かにその通りであると感じる.今回のシミュレーションは基礎的実験として行なったのであり,今後は動的情報の遅れに関して分析を深めていきたいと思う.

卒業研究発表会

動的な情報提供が人の行動選択に及ぼす影響の分析-混雑情報を加味した鉄道路線選択を例として-(重信雄樹, 2009)

  • [Q] 情報の遅れとは,何を表しているのか.
  • [A] 情報の遅れとは現在を起点として何ステップ前の動的情報を提供するかを表す値である.

  • [Q] 実験1と実験2の違いは何か.
  • [A] 実験1と実験2の違いは,実行したステップ数と不効用値の集計範囲である.

添付ファイル: filetazoku.jpg 208件 [詳細] filemondai.jpg 222件 [詳細] file20061104(001).jpg 223件 [詳細]

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Last-modified: 2010-03-23 (火) 01:02:48 (3319d)